「凡人が非凡な成果を出せる組織」とは何か ——ドラッカーに学ぶ、強い組織のつくり方
経営学者のピーター・ドラッカーをご存じでしょうか。「マネジメントの父」とも称され、20世紀を代表する経営思想家として、今日も世界中の経営者に読み継がれています(2005年逝去)。
ドラッカーが「人の配置と組織の役割」の中で残した一節があります。私が組織を考えるうえで、最も本質を突いていると感じてきた言葉です。
優れた組織とは、凡人をして非凡な成果を上げさせる組織である。それは個人の強みを共同の事業の推進力とし、個人の弱みを中和し無害にすることによって行われる。
— ピーター・F・ドラッカー
「人を育てる組織」ではなく「仕組みで成果を出す組織」
注目したいのは、「優れた組織とは人を育てる組織である」とは言っていない点です。ドラッカーは「凡人のままの人が、非凡な成果を上げられる組織」と言っています。
全員が完璧な人間を目指すのではなく、それぞれの強みを持ち寄り、組み合わせ、弱みは組織の仕組みでカバーする——これが成長し続ける組織と、成長が停滞する組織の根本的な違いだと私は考えています。
実践するために大切な3つの視点
1、強みを見える化する
メンバーひとりひとりの得意領域を明確にし、その強みを活かせる役割に配置する。
2、弱みは仕組みで補う
苦手を個人の努力で克服させるのではなく、チームや業務設計でカバーする体制をつくる。
3、一点突破を認める文化
10の能力を均等に磨くより、まず1つを誰よりも深く追求した人が結果的に全体を引き上げる。
「1つを極める」ことが、最短の成長ルートになる
10の能力を均等に伸ばそうとするよりも、まず1つに特化し、その領域だけは誰よりも強くなることを目指す。私はこれが、結果として10すべてを身につける近道になると考えています。
1つのことを極めた人は、その過程で「深く考える習慣」「やり抜く自信」「構造化する思考力」を自然と身につけます。そしてそれらは、他の領域にも確実に波及していきます。
「まず一点突破」——それが、非凡な人材を育む最速の道です。
ドラッカーの言葉は、個人の成長論であると同時に、組織設計の原則でもあります。強みを活かし合える環境をつくること、それが経営者としての私の役割だと改めて感じています。
ぜひ、あなた自身の「1つの強み」を問い直してみてください。そしてその強みを、仕事の中で思い切り発揮できる場所を探してみましょう。